リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「八方ふさがりだ」

 つぶやいて再び馬の脚を進めた。

 もう……独りは慣れた。

 それでも、誰とも接しないのは辛すぎる。

 誰にも声をかけられなくていい。

 ののしられ、石を投げられても構わない。

 ただ、人の息づかいを身近に感じていたい。

 私が人であるために、

「私は人間なのだ」

 と胸を張って言えるように──