リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「贈り物……?」

[村に戻れば解る]

 怪訝に思いながらベリルは村への帰路に着いた。

 不思議と食欲は湧かず、食べなくてもやせ細る事も死ぬ事も無かった。

 遠い道のりだったが、ようやく村にたどり着き村人が迎える姿に胸が締め付けられる。

「おかえりなさい!」
「どうだった?」
「レクシュは?」

 口々に発せられる言葉にベリルは逃げ出したかった。

「あれ? なんだろう、あの馬」

「!」

 ベリルが振り返ると、見事な青毛(黒い馬)がこちらに向かって走ってくる。

 そしてベリルの前で立ち止まり顔をすり寄せてきた。

「?」

 村人もベリルも訳が解らなかったが、ふと馬の王の言葉を思い出す。

「そうか……これが贈り物……」

 口の中でつぶやいて、ベリルは意を決し自身の身に起こった出来事を語り始めた。