リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「そいつは嫉妬深くてね。あんた以外には決して“懐かない”。手放してもだめだぜ」

「! なに?」

「言ったろ? 強すぎるって。手放したら怒り狂って暴走し、手が付けられなくなるぞ」

 人間とか殺しまくるかもな~、と口の端をつり上げる。

「貴様……」

「怒っても遅い」

 睨み付けるベリルを一瞥し、男は手を振って去っていった。


「……何故だ」

 ベリルは剣を見つめて己の運命を呪った。

 しかしすぐ目を閉じて頭を振る。

「否、悪いのは私なのだ」

 彼を止めようと思えば止められたのに、そうしなかった。

 それが初めの罪──

 止める機会はいつでもあったのに出来なかった。

 それが2つめの罪──