リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

 ベリルは、嫌悪感をあらわにして少し声を低くした。

「放っておいてくれ」

 しかし、その男は口の端をつり上げて続ける。

 青い目はじっとベリルを見つめて、視線を離さない。

「欲がないんだなぁ……ますます気に入った。よしっ特別にタダでやるよ」

「!」

 男は剣を持って川に入ってきた。

 驚くベリルの腕を掴んで握らせようとする。

「いらないと言ってるんだ!」

「そう言うなって」

 嫌がるベリルの腕を強く掴んで離さない。

 その瞳にベリルはゾクリとした。

 何かを企んでいる──男はその刃をベリルの首に当て軽く滑らせた。

「……っ」

 少し痛みが走り刃を見るとにじんだ血が吸い込まれるように消えていった。

「おー。やっぱし、あんたのこと気に入ったみたいだなこいつ」

「どういう意味だ」