リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

 足を組んで微笑むその姿は、見惚れるほど上品で美しい。

 金糸のようにさらりと揺れるショートヘアに、エメラルドの如く輝く双眸(そうぼう)。

 神に愛されても不思議ではないと思えるほど、神秘的だった。

「あなた様が出会った出来事を、もう少しお聞かせ願えないだろうか」

 ベリルはそれに、鼻で笑う。

「冒険譚(ぼうけんたん)など聞きたいかね」

 そうして、夜は更けていく。