「まったく……」

 呆れつつ剣を抜く。

 それは、コウモリを思わせる翼を大きくはばたかせ地に降り立った。

 その風が青年の短い金の髪を揺らす。

 獅子の体にサソリの尾、そしてその顔は年老いた男性──マンティコアだ。

「私は何か嫌われる事でもしたか?」

 その端正な顔立ちが苦くなる。

 異形のモンスターは青年を目の前に醜い口から唾液をしたたらせた。