ほっとしたような表情を浮かべたムナリアの横を通り過ぎるとき、

「金貨は10枚で構わん」とささやいた。

「……」

 その後ろ姿を見つめ、ムナリアは少年に問いかけた。

「どうやって倒した?」

「凄かったんですよ!」

 訊ねられた少年は興奮気味に応える。

「火の魔法とか、消える魔法とか。剣から炎があがったり。あ! あの剣はエレメンタル・ソードだそうです」

「! エレメンタル・ソード……?」

 ムナリアはピクリと片眉を動かす。