リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~



 しばらく馬を走らせると、小さな村にたどり着く。

 トエレーム村だ。

 たいまつを灯し、ベリルたちの帰りをムナリアと数人の村人たちが出迎える。

「……倒したのですか?」

 馬から降りたベリルに、いぶかしげに訊ねると彼は小さく頷いた。

 それから少年に目を移す。

 少年も同じように首を縦に振った。