リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

 ベリルはそうして、息絶えたマンティコアの額に手をあて目を細める。

「その身は自然に還り、命は受け継がれていく……」

 ガクンと片膝をついた。

「大丈夫ですか!?」

 少年が駆け寄って心配そうな声をあげる。

「うむ。こいつを使うとかなり消耗するのだ」

 言いながら立ち上がり、剣を鞘(さや)に収めた。

「……ファイア・ソードですか?」

「エレメンタル・ソードだよ」

 2人は村に向かって歩き出す。

 途中につなげていた馬に飛び乗り、夕暮れ間近の空を足早に駆けた。