それからベリルは彼女にキスを与え、その瞳を見つめた。

 とまどいの色を見せる銀の瞳を捉え離さなかった。

 己の意思は真実なのだと言い聞かせるように、逃れられないようにただひたすらに見つめる。

「──っ」

 エリスは何か言いたげな表情を浮かべ、ベリルから視線を外すと目を伏せて小さく口の中でつぶやく。

「本当に……。私の傍に、いてくれる……の?」

「お前の命が尽きるまで」

 私の時間をお前に与えよう。お前の望むように、お前が必要とするならば。

「私は丸太だ」

「クスッ……」

 柔らかな微笑みを浮かべたエリスだが、すぐに表情を曇らせた。

 ベリルは、彼女が何を悩んでいるのか解らない。

 言い出そうとしてすぐに言葉を詰まらせる。

 それを繰り返していた。