リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「私はお前ではない。お前の真意など解りようもない」

「そっ……そんな簡単に……言わないでよ」

「ならばどの言葉を望むのだ。蔑(さげす)んで欲しい訳ではあるまい」

 私は私の意思を言ったまでだ。

 ベリルは淡々と応える。

「人は己の身を守る事で精一杯なのだ。それはお前自身もよく解っている事だろう」

 だから、町の人々を憎んだりはしない。彼らは彼らなりに必死に生きている。

 憎みたくて憎んでいる訳じゃない。

「それを解っているから、お前は町を守ろうとする」

「わ、私にはそれしか出来ないから……」

「お前は強く気高く優しい。だが独りで居続けるのは辛い」

 何故なら、お前は人間なのだから──

「……」

 その言葉にエリスは涙を浮かべた。

「独りで苦しむ事はない」

 エリスを優しく抱きしめる。