それからゆっくりと扉が開き、エリスが両手を胸の前で組んでベリルを見つめた。

「どうして……私なんて……」

「もう充分、苦しんだろう?」

その言葉にエリスは目を見開く。

「……っ」

「約束、守ってもらうわよ」

 何かを言い出そうとした彼女の声をさえぎり、別の女の声がベリルの後ろから響いた。

 知っている相手に呆れたように溜息を1つ。

「!?」

 振り向いた直後──エオスの顔が間近に迫り、そのままベリルを連れ去っていった。