不死とは言っても相当なエネルギーを使ったのだ、そうすぐに回復してはくれないらしい。

「ドラゴンの動きを止めてくれ。わずかでいい」

 ベリルは仲間にそう伝え、剣を構えた。

「おっしゃ! 野郎ども気ぃ張っていくぜ!」

「おおよ!」
[ギャオォー!]

 再び戦闘を開始した人間たちに、ドラゴンは雄叫びを上げる。

 ソーサラーの詠唱にベリルも合わせ口の中で唱えた。

 同時に放ったのはエナジーボルト。稲妻の矢がドラゴンに放たれる。

 すかさずレンジャーがドラゴンの目を狙い弓矢を放つ。

[!? ギエエェー!]

「ベリル! 今だ!」

「……っ」

 グエンの合図にドラゴンに駆け出す。

 そんなベリルを見て炎のブレス(息)を吐き出そうとしたドラゴンに、ソーサラーがパラライズ(麻痺)の魔法を撃った。

[グゥッ!?]

 ベリルは、思うように動かなくなったドラゴンに剣を振り上げる──刹那、紅い瞳と化し、ガカァ! と激しい稲妻が落ちるような音がしてグエンたちはまばゆい光に目を閉じた。