「とりあえず絶やさぬ攻撃で体力を消耗させるか」

 ベリルの提案にみんなは頷き、ソーサラーが詠唱を唱えレンジャーは弓矢を構えた。

 それを見たグエンとベリル、他の戦士がドラゴンに駆け寄る。

「おらぁー!」

 力一杯ドラゴンにバルディッシュを叩きつけるグエン。

 しかし、その堅いウロコに阻まれて肉を切り裂く事は適わなかった。

 それでも、若干なりとはウロコにヒビが入る。

「……っ。ドラゴンのウロコって高く売れるかな」

「捨てる処が無い。ひと財産、稼げるぞ」

「よっしゃ! 頑張れ俺!」

 気を張り、ドラゴンに突進するグエンをベリルは薄笑いで眺める。

 そして思案した。

 いくら慣れてきたとはいえ、そう連続でドラゴンの力は使えない。

 グエンたちを安全にここまで誘導した事で、かなり消耗してしまってもいた。