リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

[グウゥゥ~]

 女の指示でグエンたちに巨大な棍棒を手に近づいていく。

「……」

 まあブラックドラゴンよりは楽になっただろう。

 ベリルはそう思って女に向き直った。

 女の目は、確実にベリルを狙っている。

 その力を……

「貴様のその鼻、へし折ってくれる」

「私はそれほど自信家ではないよ」

 今だって勝てるかどうか疑わしい。

 ベリルはその意識で女と向き合っていた。

「覚悟しよれ!」

 女はそう叫び、両手を流れるように挙げるとベリルの周りの空気がにわかに振動し始めた。

「!」

 これは──風か。ベリルは嫌な予感がした。

 風はベリルを取り巻き、地面に貼り付ける。

「……」

 このあとには……ベリルが予想した通り、地面から頑丈なツルが這い出てきてベリルの両腕を固定した。