リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「あぶね~。でもラッキー」

 グエンが目を輝かせて親指をグッと立てた。

「くっ……」

 セシェリエルは悔しげに発する。

 目の前にいるベリルには今の攻撃は通用しなかったのだ。

 手に持つ剣がその力を示している。女は少し警戒した。

「……っ」

 口の中で舌打ちし、女は何かを呼ぶように右手をさらりと挙げる。

「……おいおい。いい加減にしてくれよ」

 現れたモンスターにグエンは肩をすくめた。

「とんでもないもの飼いやがって」

 別の冒険者が吐き捨てるようにつぶやく。

 彼らの前に立ちはだかったのは2メートルを優に超えるモンスター、オーガだ。

 尖った耳、醜い姿。その凶暴性はすぐに理解出来る。

 彼らの前には人間など食料にしか見えない食人鬼だ。