リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「……」

 ベリルの事を知らない他の冒険者たちは、外見とは想像もつかない彼の言動に目を丸くした。

「私も大概、年寄りだがな。お前のような視野の狭い人間にだけはなりたくない」

 続けて言い放つベリルに、女は握った拳を震わせる。

「美しいからと、綺麗なまま殺してやるつもりでいたが……許せぬ」

「どうやって?」

 ベリルは挑発を続ける。

「バラバラに切り刻めば死ぬるだろう!」

 声を張り上げ、手を振り上げた。

「!?」

 ベリルは剣を前に突き出し、守るような体勢をとった。

「そのようななまくらごときで防げるものか!」

「伏せろ!」

 ベリルの声に、後ろにいた冒険者たちは一斉に体をかがめる。

 女が左手を振り下ろした──しばらくの沈黙のあと、ドラゴンたちの体が輪切りになって地面にボタボタと落ちていく。