「こんな寒々とした見送りは初めてだぜ」

 グエンは呆れたように発する。

「彼らにとっては我々も敵なのかもしれんな」

「ハッ! 嫌な物には蓋をしろってか? 馬鹿馬鹿しい」

「全てがお前のようであるなら、事は単純なのだがね」

「褒め言葉として取っておくよ」


「気をつけてな……」

 その後ろ姿を、占星術師は見送り小さくつぶやく。

 町の守りは、占星術師のエルドラが中心となって冒険者たちが配置につく事となった。

 とりあえずは東の門は閉じておき、シーフ(盗賊)が監視塔で西の監視を交代で行う。

「!」

 色々と指示しているエルドラに、1人の男が近づいてきた。

 町の住人とみられる40代の男性は、言い出しにくそうに口を開く。