リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

 マンティコアは、しわだらけの顔にある大きな口を開き牙をむき出してベリルに突進した。

 それをひらりとかわし、皮張りの翼に刃を走らせる。

「……っ」

 予想以上に硬い。

 破く事は敵わなかったが、飛び立つ事は出来なくなった。

 これで上からの攻撃に注意しなくて済む。

[グルルル……]

 モンスターはかなりご立腹の様子。

 もう老爺(ろうや)の顔とは思えないほどに醜悪な表情になっていた。

 人間の顔だった事で少々やりづらかったベリルだが、ためらう要素は無くなった。

 その整った顔が、妖艶とも思える笑みを浮かべる。