リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「ねえ、もうちょっと一緒にいましょうよ~」

「しつこいと約束も破棄するぞ」

 エオスは「ぐっ……」と喉を詰まらせ、悔しそうにベリルを睨み付ける。

「あなた、ズルいわ」

「嫌なら諦めろ」

「誰が諦めてやるもんですかぁ~!」

 とエオスは叫びながら遠ざかっていった。

 今の関係なら可愛いもんだかね。

 ベリルは女神が消えた方向に目を向けて溜息を吐き出す。

 これがいつ、神としての本性をむき出にするのか……その前に上手くあしらっておかねば。

 などと考えながら、再び歩みを進める。

 荷物はそのままに出てきたのだ、まさかもう戻ってこないと思って処分されてはいないだろうな……

 少々、不安になりながらもドアを叩く。

「……はい」

 恐る恐る出てきたエリスは、驚いたような顔をベリルに向けた。

「遅くなった」

「あ、いいえ」