リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「この地はドラゴンの力が息づいているのか」

「うん、だから他の土地よりも強い力が宿っているの」

 エオスはいつの間にかベリルにのし掛かるように、その美しい顔を端正な彼の顔の前に寄せていた。

 それを無視するように視線を外し、ベリルは続ける。

「ならば、この地にはドラゴンの血が染みこんでいるのだな」

「そうよ、だからあたしの結界も常に張らなくても継続されるってワケ」

 町の入り口に紋章がある。

 それはひっそりと刻まれているものだが、ベリルはこの町に来てすぐにそれを見つけていた。

 結界を張るための媒体……エオスの紋章だ。

「よく解った」

「キャッ!?」

 ベリルが突然、立ち上がりエオスがバランスを崩して転がる。

「もう終わり~?」

 残念そうに上半身を起き上げ、ベリルを見上げた。