リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「終れば相手をしてやると言ったろう」

「ホントにホント?」

「疑り深いな」

「約束は守ってね」

「では訊くが……」

「ああん! こままじゃイヤ」

 スネるように肩を振り、猫のように求める瞳をベリルに向けた。

「……どうしろというのだ」

「恋人のようにして」

 自分が可愛いとでも思っているのか?

 ベリルは眉間にしわを目一杯に寄せてエオスに近づく。

 実際はかなり可愛いハズだが、ベリル相手ではそれも徒労に終る。

 2人は草原に座り込み、エオスはベリルの肩に頭を乗せた。

 ベリルは仕方なく女神の肩に腕を回し、恋人らしく振る舞う。

 ……オークの死体まみれの草原に。

 こんな処で雰囲気出るのかね……ベリルは首をかしげ、改めて問いかけた。

「何故、この地に町を築いた」

「ああ、そんなコト?」

 エオスは思い切り艶のある声で、片膝を立てているベリルの太ももをさすりながら応える。

「ここはねぇ、元々はドラゴンが棲んでいたの」