「!」

 丘に向かうベリルの背後に気配。

「約束、守ってもらうわよ」

 ベリルは溜息混じりに振り返ると、嬉しそうに笑っているエオスを見やった。

「これが終れば。と言った」

「終ったじゃない」

「まだだ」

「え~」

 エオスは頬を膨らませ、抗議するように少し怒った顔で近づく。

「……」

 そんな態度を取っても無駄なのに……ベリルは呆れて目を据わらせた。

 体のラインがはっきり解るシンプルな純白のドレスは、月夜に神秘的に浮かび上がっている。

「訊きたいことがある」

「ヤダ」

 即答。

「……」

 こいつめ……ベリルは困ったように肩をすくめ、真剣な面持ちで口を開いた。