リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「これはどうした事だ」

 30代半ばの占星術師は目を見開いた。

「どうした?」

 グエンが怪訝な表情を浮かべて訊ねると、重々しく口を開く。

「占おうとするとモヤがかかったように先が見えぬ」

 それでも、占い師は水晶の中心を食い入るように見つめた。

 刹那──「うっ!?」

 バシ! 水晶から飛び出した矢をベリルが掴んだ。

「あ、ありがとう……」

「用意周到だな」とベリル。

「こっちの動きを見越して罠を張ってやがったか」

 舌打ちしてグエンは苦々しくつぶやいた。

「……」

 ベリルは思案した。これでは相手の行動が何1つ読めない。

「モヤがかかっている大体の位置は解るか?」

「それくらいなら……」