「……」

 エリスは、ベリルをじっと見つめた。

 全てを悟った物言いの彼を怪訝に思わないハズはない。

 ベリルは前に目を向けたまま仕方なく説明を始める。

「町でお前はエオスと同じ力を持つと聞いた。エオスの力は過去に聞いた事がある」

 ぶっきらぼうに発せられたが、エリスは納得したように一度、目を閉じた。

 暁の力──ベリルがそう呼ぶのは太陽の力だ。

 その力を使う時、太陽は消えてしまう。

「この数、敵がお前の事を見越したうえでのことか?」

「そうだと思っている」

 グエンの苦笑いにベリルはそう返す。

「?」

 首をかしげるエリスに、グエンは説明するように口を開いた。

「オークってのはそんなに強い奴らじゃない。徒党を組むのが常套(じょうとう)手段だが、これはちょいと組みすぎ」

「誰かが操っていると見る方が妥当だ」

 とベリル。

 それにグエンが続いて「ワイバーンもいるんだ、かなり知恵のある奴だ」

 上空を旋回している鳥のような影を差す。