リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「マジかよ……」

「ぶつかる前に少しでも戦力を削ぐ」

 ベリルは剣を構えずに西を見据え、精神集中を始める。

「……っ」

 それを見たグエンは沈黙した。

 奴らが俺たちとぶつかる前に、デカイ魔法を撃つ気だ。

「……?」

 グエンはいぶかしげに、西に沸き立つ気配を見つめた。

 刹那──

「!? こいつぁ……」

 黒い軍勢が押し寄せるように迫ってきた。

「……」

 エリスは遠くに見える黒い大きな影に息を呑む。

「エリス」

「! はい」

 ベリルが閉じていた目を開き、念を押すように発する。

「暁の力は使うな。魔法で対応しろ」

「え?」