リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「グエン!」

「ベリル」

 ベリルは広場に集まった戦士や魔術師たちを眺める。

「グエン、東の門は閉じるように言ってくれ。西で迎え撃つ」

「解った!」

 ベリルは再び馬を走らせた。

 この町は東と西に1つずつ入り口がある。

 旅人が多く訪れる方角は西……ベリルが感じた多くの悪意も西からだ。

 東は海に向かう方角。

 大陸に棲むオークが船を使うとは思えない。

 西門をすぐ出て、ベリルは馬から降りた。

 エリスにはそのまま乗っていろと示す。

「……」

 西の空を見上げる。どれほどの軍勢なのか……ベリルは図りかねた。

「なんだか騒がしいわねぇ」

 呑気な声が後ろから聞こえ、ベリルは溜息を吐き出しながら振り返る。

「解っているのなら結界を強めろ」

「えぇ~面倒ねぇ」