「ホントに一筋縄じゃいかないわね」

「それはどうも」

「褒めてないわよ!」

「私にも自由というものがある。お前のする事には許容しかねる」

「言っちゃってぇー! もうっおカタいんだからぁ~」

 おちゃらけて見せても、ベリルは一向に動じない。

「これ以上、執拗なようならば容赦はしない」

 さらりと左手を流し、その強い意思を示した。

「……普通の魔法であたしに適うとでも思っているの?」

「普通でなければ良いのだろう?」

 エオスはそれに目を見開いた。

「よもや、私が躊躇する理由が残されているとでも思っているのか」

「ハ……ナルホドね」

 エオスは苦笑いを浮かべた。