リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「私が助けなくても……大丈夫だったんでしょ?」

「!」

 言ったあと、ベリルに目を合わせずに床をじっと見つめた。

「助けてくれた事は事実だ。その礼をしないのでは失礼になる」

「そ、そんなコト、思ってない。から」

 たどたどしく発する言葉。

 彼女は人と接するのが苦手なのだ。

 ベリルはそう感じた。

「私の事はそこに転がっている丸太だと思ってもらえれば良い」

「! ……丸太?」

 指さした先にある作業用の丸太をエリスは見つめる。

「丁度、宿を探していた処だ。力作業を任せてくれれば良い」

「えっ……で、でも……」

「食べ物は必要無い。便利だろう?」

 言ってウインクした。エリスはそれに小さく笑う。