「う……。!?」

 今までいた処とは違う空気に、ベリルは戻りかけた意識を覚まし勢いよく上半身を起き上げた。

「……?」

 見回すと、そこは誰かの家の中らしかった。

 ベッドに寝かされ、額には真水で浸された布がかけられていたのだろう。

 それが脇に落ちている。

 窓に目を向けると外はすでに夜、風が窓を小さく叩いていた。

「!」

 扉がガタンと開いて、入ってきたのは町でぶつかった……

「エリス?」

「!」

 その女性は驚いて体を強ばらせた。

 しばらくの沈黙が降りる。

「私を運んでくれたのか」

「あ、あそこにいたらモンスターが来る。から……」

 たどたどしく、ベリルに目を合わせずに応えた。

 持っていた鍋を暖炉の火にかける。