リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

 ベリルはそのあと、丘を見上げる草原でずっと立ちつくしていた。

 どう転んだ処で、彼にはもう何も残されてはいない。

 親友との思い出も、彼には儚い夢のように薄れていく。

「リンドブルム、これが私の罰か」

 それとも、英雄の素質とやらを試したのか?

「う……ああああっ!」

 強く、激しくベリルは剣を地に突き立てた。

 両膝をつき、剣を支えにうなだれる。

「私に何を望むのだ……私に何をさせたいのだ……」

 もう充分、苦しんだ。

 もういいだろう?

「何が望みだ!?」

 空に叫ぶ。

 暗闇が近づく草原に、それを見渡せる丘が黒く迫り来るようにそこにあった。

 そうしてベリルはその意識を閉ざしていった──