リンドブルムの剣~魔女が涙を流す夜~

「使えるものか、友の命を奪った者の力など」

「!? ベリル……」

「ハーデスにも困ったものね。どうせ知っていた事でしょうに」

「所詮、人など神の遊び道具に過ぎない」

 ベリルは薄笑いで発する。

「すまなかった……ベリル」

「レクシュ!?」

 親友の姿が足下から徐々に消えていく。

 急いで駆け寄るが、手を伸ばした時にはもう彼の姿は跡形もなかった。

「──っ」

 伸ばした手を握りしめ、強くまぶたを閉じる。

 視界に入ったエオスに睨みを利かせ、低い声で発した。

「去れ。二度と私の前に姿を見せるな」

「あら、私は助けてあげたのよ」

 ベリルは威嚇で剣を振る。エオスはそれに後ずさりし、クスクスと笑った。

「本当、あなたは素晴らしいわ。待っていて、必ず迎えに来るから」

「願い下げだ」