「助かったぜ。ありがとうな」

「私としては鉄の腕で、王様でも目指してもらいたいところですね」

どこのヌアザの話だよ。

「お前等はどうすんだよ?」

「おや、私達の事を気にかけてくれるあなたの優しさに、摩耶さんもお嫁に行きたい気持ちもあふれ出してますね」

いや、むしろ、お前の背後で警戒してるんだけどな。

「今はあまりいい状況じゃねえんだから、程ほどにしておけ。それに、マリアをあまり巻き込むんじゃねえぞ」

「何か、起こるんですか?」

「マリア、世界は可笑しな方向に向っている。だから、しっかり子供達を守るんだぞ」

「はい。そして、あなたに神のご加護がある事を、祈ります」

俺は歩き始める。

「葉桜君」

「まだ何かあんのかよ」

「魔力発散ナイフ1パック分、セットで上げましょう」

1パックがどれほどのものなのかは謎なのだが、力強いな。

「お前にしちゃ気が利くな」

「おや、私に対しての評価をしてくれるとは、家の掃除もしたくなりましたよ」

「サンキューといっておくぜ」

俺は最後に摩耶の前に立つ。

「ウチに、なんか用なんか?」

「そうだな、お前はジャスミンに元気を与えてくれた。ありがとうと言っておく」

「その女が勝手にでしゃばってきただけや!ウチはパパ一筋やねんからな!」

警戒心と共に、にらみを利かせる。

「へいへい、分かってるさ」

そして、俺達は戦場へと向かった。