「今、必要なんだよ」

「おや、随分とハピカが似合う顔つきになりましたね」

どこまでハピカを引っ張ってくるんだよ。

「不逞の輩めが!恩師摩耶さんから離れなさい!」

「少し愛でるくらいいいじゃない」

摩耶を取り合う二人が緊張感を失わせる。

しかし、本人は抱きしめられすぎて、ぐったりしている。

「ジャスミン、それくらいにしておけ。摩耶が死にかけてる」

ジャスミンは摩耶の様子を見て、驚いていた。

「ああ、ごめんごめん。でも、本当、可愛いわ」

ジャスミンは基本的にレズなんだな。

「う、うう、パパー」

摩耶はアカ・マナフの後ろへと隠れてしまった。

「で、どうなんだよ?」

「とても面白いお友達を紹介してくれましたし、構いませんよ」

ジャスミンが勝手にした事で、別に紹介したつもりなんざ微塵もないんだがな。

アカ・マナフが俺の腕に触れると、魔力を込める。

鉄の義手が生成されていく。

「いや、何で、鉄の義手なんだよ?」

「いやあ、最近、摩耶さんの進められたキャプ〇ンマーケットを試写室で見ましてね」

コメディーホラーをこんなところで活躍させなくてもいいだろうに。

しかし、指の一本一本が動く。

俺は魔力を生み出せるか試してみた。

闇の炎が鉄の腕から放たれる。

「ちゃんと出来るんだな」

「ええ、今日のメザシを美味しく食べるためには、良いものを作りたいと思いましてね」

これだけの作業でメザシが美味しくなる物なのかと疑問を持ってしまうところではあるがな。

どんな理由であれ、感謝はすべきだろう。