俺達三人の手の届かない場所の人間が再び襲われる。

「そんなに、人間を襲ってもいい事ないぜ!」

走るが他の妖魔が邪魔をする。

「ち」

一対一なら何とかなるが、複数では人を守れない。

「面白い状況よね」

空中から、人間を襲っている暴走妖魔に鉄球が降り注ぐ。

その後に影が降りてくると、暴走妖魔を蹴り飛ばす。

地面に降り立ったのは、ジーパンとシャツの上にジャケットを着込んだ子鉄だった。

「子鉄?」

「全く、アンタ達三人でどうにかしようっていうんだから、凄いわよね」

転がってきた鉄球を拾い上げる。

「何よ、皮肉なわけ?」

子鉄の台詞にジャスミンが噛み付いた。

「はあ?何、お前、子鉄姉に噛み付いてるんだよ」

子鉄の後に引き続き、退魔師の服を着用している瑠璃子も降り立った。

髪も幾分か伸びて、女性に近づいている。

両手には小刀を持ち、傍にいた暴走妖魔を捌く。

精神的に復活したのだろうか。

「ふうん、そこの女の人が好きなんだ?」

ジャスミンはロベリアさえ傷つけなければ、争う気持ちはないらしい。

「お前のようなよくわからない妖魔がアタイに口を聞くんじゃないわ!」

短気は変わらないようだ。

それでも、妖魔に陵辱されているのだから、恨みがあってもおかしくはない。

「瑠璃子、無駄口はなしよ」

「はい、子鉄姉」

二人の他にも退魔師は幾人かいるようで、上手く陣形を組みながら人を助けていく。