「時間か」

何かが起こる予兆はしていた。

警戒態勢をとっていなかったのか。

それとも、体内には害がないと判断されていたのか。

しかし、思い出す。

島で起こった暴走妖魔達の出来事を。

今ある状況が、島での状況と酷似しているのだ。

「人間達を非難させねえと、不味いな」

人間達も、傍にいる妖魔達の様子がおかしい事に気付いた。

そして、次の瞬間、妖魔達の変鎖が解ける。

「やっぱり、な」

今戦力になるのは、俺達三人だけだ。

能力があるのは、ロベリアとジャスミンの二人。

「く」

人間に襲い掛かってる妖魔に殴りかかった。

頬を殴りつけ、ぶっ飛ばす。

その後に、背後に迫ってきた妖魔の炎を、転がりながら回避。

何とか、肉体は妖魔の攻撃についてきている。

「くそ!」

すでに、暴走妖魔に襲われてる人間もいるようだ。

「まさか、こんな状況を持ってくるとはな」

混乱状態を招いて、時間稼ぎか。

「手の込んだ状況、作りやがって」

ロベリアやジャスミンは人間の形を保っている。

それは、妖魔の姿を捨てたからであろう。

今の状況では、凄く助かる。

ロベリは風を吹きつけながら妖魔を吹っ飛ばし、ジャスミンは敵をひきつけてから蹴りで玉砕する。