目覚めれば、暗闇の中だった。

とても狭い位置に横たわっている。

今、自分の体かもどうかも解らない。

「ここは、どこだ?」

拳で真上を叩いてみるが、硬い。

体を入れ替えたりすることも出来ない。

「何とか、ならないか」

両の掌で押したり滑らせたりしてみると、床が動いた。

そして、出てきたのは静けさが漂う場所である。

周囲を見渡すと、ロッカーのような場所から出てきたようだ。

「遺体安置所ってところか」

自分の心臓に手をあててみる。

鼓動はしていない。

どうやら、生き返ったというわけではないらしい。

だが、身体は動く。

「十分だ」

俺は、裸のようだ。

寒さは感じない。

死体と同じだから、当たり前っちゃ当たり前か。

「それより、服が欲しいぜ」

今の状態のままなら、捕まってもおかしくはない。

誰かがこない内にここから出ないと酷い目に合いそうだ。

しかし、周囲を見渡しても服はない。

「く、やばいぜ」

とりあえず、傍にあった布を体に巻きつけた。

その瞬間に、白衣の人物が部屋の中へと入ってくる。

「あ」