「『ルール』着席禁止」

新たなるルールで支配される。

秋野が立ち上がる事はない。

そして、ペナルティーを受けている気配もない。

ジャックは闇からの攻撃を回避しながら、秋野に向けて弾丸を放つ。

しかし、秋野を貫通して、背後の壁に当たる。

「ブラフか」

何ら不思議な事は無かった。

簡単に姿を現すほど、甘くはない。

ならば、何故、本物じゃないと分かっていて来たのか。

それは秋野を孤独にさせるために、闇の男を葬り去るための行動であった。

男から放たれた黒龍を壁を蹴って回避しながら、男に拳銃の弾を放つ。

弾丸が闇の中に消える事は分かりきっていた。

弾丸を放ったのと同時に義眼から放つ光で周囲を照らし出す。

義眼に埋め込んでおいたライトを時間差で作動するようにセットしていた。

「『ルール』移動禁止」

地面に付くと同時にルールを変更させる。

男は光のないところからナイフを飛び出させ、弾を防ぐ。

しかし、移動をする事は出来ない。

ジャックは二丁の銃口を男に向けて、連続でトリガーを引き続ける。

男は回避できない事を理解した。

理解したからこそ、銃弾を打たれる前にナイフを闇に放り投げた。

男は蜂の巣となり、倒れる。

ナイフが出てくる位置に前もって、顔を向けていた。

物を排出する闇の力は作動しない。

そう、ナイフは出てこなかった。