「まったく、冷や冷やさせるだわーさ」

私服姿のスキンヘッドの男はスナイパーライフルを解体していく。

「遠方から狙う不意打ち紛いのライフルは俺の趣味じゃないわーん」

ケースの中に全てを直し、携帯を取り出した。

「あ、隊長、ハニー・ロッカー様だわーん。とりあえず、余計な一匹は始末したわーん。え?街の妖魔は始末したか?ゴメンなサーイ。ちょっとした手違いでライフルぶっ壊れちゃったわーん。ああ、はいはーい。じゃ、また後でーん」

通話を切り、携帯電話を直した。

「やるなら、前からBAN☆BAN☆撃ちたいだわーさ」

ロックはタバコを吸い始める。

ロックが見る先には、ライフルで打ち抜いたビルがあった。

その奥には、妖魔の死体が佇んでいる。

「やっぱり計算してて良かったわねーん」

ロックはジャスミンが何かを放つという事を計算に入れていた。

何も出来なかった場合でも打ち抜く事は出来た。

だが、更に敵の意表を突く為に、ジャスミンの弾丸にライフルの弾を当てて兆弾させたのだ。

まだ、息があったので、ニ発目で確実に仕留めたという流れであった。

「ま、あんたのおかげでもあるけどねーん」

『だろ?』

「便利である分、おっそろしいわーん」

ロックは、ラインの力によってチューナーになっていた。

今、話しているのは内部にいる契約妖魔とである。

『なあ、その喋り方、どうにかならないのか?』

「とっても素敵でしょうーよ?」

『それは錯覚って奴さ』

「少しは嘘をつくのもいいだわーさ」

『俺は、正直者。というか、嘘を付くなんて気持ち悪くて出来ない』