俺は、覚悟を決めていた。

「ここで、お別れだ!」

しかし、イヴァンは笑う。

「世界は、終わらない」

「どっちに転ぶかなんて、わからないさ」

俺はカオスをイヴァンに投げつける。

急に中途半端な状態になったせいで、戻るまでにタイムラグが生じたのだろう。

イヴァンはカオスを避ける事もかなわず、衝突した。

カオスはイヴァンを飲み込んでいく。

そして、カオスがイヴァンを飲み込み満足したかのように、そこには何もなくなってしまう。

「終わった、のか?」

「ああ」

吟は光の粒となって、消えていく。

「本当なんだな」

「信じてなかったアルか?」

俺は首を振る。

「また、会えるよな?」

「それは、神のみぞ知るって奴アルよ」

「その神様も、もういないんじゃ」

「それはどうだろうアルな」

吟は最後に笑いながら、静かに消えていった。