千鶴の瞳が壊れる事はなかった。

「あなたの力が凄いってのは分かる」

メトロディアナが頭を掴もうと手を伸ばす。

それを右手で払いのけ、千鶴は胸に掌底を胸に打ち込んだ。

「だって、私の中にあなたの力を受け入れたのだから」

メトロディアナはたじろぎながら、二歩程後退する。

「私は今まで何もしてこなかった」

千鶴は腕を下げる。

メトロディアナは自分の胸に手を当てたまま、動きを止めてしまう。

「だから、あなたを倒すのは、今まで苦労してきた私の大切な人だよ」

メトロディアナが見た千鶴の目は悲しみに満ち溢れていた。