「ロべりア!」

悲痛な顔で自分の中にいるもう一人の女性の名前を呼んだ。

すると、投げる行為を手助けするかのように、風が渦巻き鉄球に更なる回転を与える。

鉄球はイヴァンの元へと駆け抜ける。

「それで終わりかい?」

鉄球はイヴァンの手によって、止められてしまう。

「終わりでは、ない」

摩耶の肩を借りて立った龍姫が印を結んでいる。

「『解』!」

俺の体が鉄球から追い出され、表へと出た。

『イヴァン、やっと、お前にたどり着けるぜ!』

俺は、イヴァンへと憑依する。