「はあ、はあ」

子鉄の攻撃は当たらない。

全て見切られているといってもいい。

「弱き者達よ。時には諦めも肝心だ」

小鉄は再び斬りかかろうとすると、ボディーに拳を一発入れられ、頬を蹴られ横に吹っ飛ぶ。

「これほどつまらないものはない」

何故、子鉄を殺そうとしない。

何か原因があるというのか?

殺さないという考えが過ちなのか?

殺せないという考えが正しいというのか?

もし、殺せないだとするのなら、何故なのか。

はっきりと、自分の体を操れていない。

それしか考えられない。

じゃあ、何故、自分の体を操れていないのか。

答えは、一つ。

自分の人格の他に存在している人格があるからだ。

『人格、奴は原初なる者を操ろうとしている』

原初なる者とて生きている。

たとえ、道具を集めたからといって抑えられるかといえば、そうじゃないのだ。

「子鉄よ。もう、よい、もう、よいのじゃ。ワラワ達の負けじゃ。何も、かも間に合わなかったのじゃ」

いつもの輝いた姿は微塵もない、やつれた顔の龍姫が呟いた。

「ふざけるんじゃないわ。まだ、何も試してないじゃないの!」

子鉄は再び立ち上がり、剣を構えた。