葉桜家から数分歩いた場所にある近所のラブホテル。

「ふう」

葉桜蛍はタバコの煙を吐き出した。

「お前さん、何が目的なんだ?」

「ひっく、ひっく」

蛍の隣には身に布団を巻いた泣いているスラーヴカが横たわっていた。

「処女でもないし、お互いにハッピーヤッピーだったろ?それに、可愛かったぞ」

「五月蝿い!私の純情を返せ!」

「HAHAHA、お前さん、意外に乙女だなあ」

笑いながらも、タバコを灰皿に押し付ける。

「うるさーい!死ね!死ね!」

素早いジャブが蛍を襲うが、軽く避ける。

「あれだけ痙攣してたのに、まだまだやりたりないかあ、しょうがないなあ。もう一戦だなあ」

「わあああああああ!」

赤面しながらも、葉桜蛍に襲い掛かろうとする。

「おっと、過激だねえ。ちょっとは落ち着いたほうが、いいぞ」

それでも、直情的な攻撃は蛍には通じない。

「私は、絶対に、許さない!」

「許さなくてもいいさ、それでも、俺はお前さんとの一時を大事にする」

「く、な、何よ、頭どうかしてるんじゃない?」

「そんな事は些細な事さ。というわけで、もう一回」

「蛍」

扉を蹴破って入ってきたのは、洋子であった。

「私が別の任務に就いてる間に、とても楽しい一時を過ごしていたようねえ」

「お前さん達、カルシウムが足りてないな。よし、タンパク質の中にカルシウムが入ってるどうかは分からんが、今から摂取しよう」

「ふうん」

冷徹な顔になりながらも、蛍の額に拳銃を突きつけた。