そして、背後からも妖魔達が我先にと近づいてきます。

「これはこれは」

私の頭の中の痺れが一層強くなります。

興奮しているという事でしょうか。

「にゃ、にゃにゃ、不幸にゃあああああ!」

おびえた琴さんは叫びましたね。

すると、隕石が降り注ぎます。

大体が当たりましたが、それでも妖魔の数は減りません。

妖魔達があふれかえっているようです。

前方の久遠さんが私達のように突撃し始めました。

巨大な腕が振り下ろされます。

私達はそれを、右へと回避します。

しかし、彼女の攻撃は腕だけではありません。

口からの炎が周囲を焼き払います。

琴さんは何とか回避したようですが、私の片腕は焼かれてしまいました。

その間に、魔力発散ナイフを投げつけます。

片目に突き刺さり咆哮を上げますが、今の彼女の様子では意味があるのか定かではありませんね。

「今回の目的は、あなたと戦う事ではないのですよね」

ここで死地に踏み入れてもいいのですが、我慢するしかありません。

失った片目を狙い、私と琴さんは死角へと入ります。

そして、そのまま駆け抜けました。

その後、彼女に妖魔の群れが押しかけます。

少し離れた位置で、熱風を感じます。

彼女の全身から発せられる爆熱の能力が発動したのでしょう。