葵さんは、今日一日はバイトをするようです。

私達は商品を購入し、スーパーを出ました。

「今日は、色々ありましたね」

「アリアさん、私としてはもっと動いてもよかったんですがね」

「赤城さん、人を傷つけるという行為は、同時に自分の心も傷つけるのです」

「マリアさんの素晴らしい言い分には感服しますが、それは鈍さでよく解らないんですよね」

「あなたは、死ぬことを目的としていましたね。何を求めているのですか?」

「マリアさん、私の求める死地には罪があります。罪には罰を与えなければなりません。それは、他の誰かが与えた罰では何も解決しません。」

「生きる事では叶えられない願いなのですか?」

「マリアさん、そうですね。しかし、生きる事もまた私の目的なのではないかと、思えなくもありません」

「考え方が変わったのでしょうか?」

「やや、ですかね。でも、本来の目的は死地にありますよ。マリアさん」

「私は、生きる事に執着を持ってくれるのならば、それだけで考え方の変わる事はあるんじゃないかと思うんです」

「その考え方であらゆる方を幸せに出来ると思いますよ」

私としても、変わる可能性はゼロとはいえません。

しかし、極端にゼロに近いでしょう。

「パパー!」

「おや、摩耶さん」

私の腕に抱きつきました。

「今日も、パパの事考えながら仕事しててん!」

「ほう、それはそれは。別の事を考えながら、作業できるとは、素晴らしい能力ですねえ」

「愛の力は絶大なんやで!」

「摩耶さん、おかえりなさい」

「マリア、ちゃんと買えた?」

「ええ」

マリアさんは袋を摩耶さんに渡しました。

「いつものよりええ奴やんか!マリア、ありがとうな!」

「いえいえ、これも神のお導きあってのものです」

二人は笑顔になりながら、幸せを噛締めています。

「ふっふっふ、今日はご馳走つくったる!覚悟しといてや!」

そう言いながら、摩耶さんは私達の腕を引っ張っていきました。