妖魔06~晴嵐~

「起きたかよ?」

「あっちは、何してたんだす?」

目をこすりながら、俺を見る。

「お前は操られてたんだよ」

「そっちは誰なんだすか?」

「葉桜丞。今はそれくらいしかいえる状況じゃねえ」

周囲の大妖魔はまだ残っている。

「なんか、こっちを見てるだす。怖いだす」

座り込んで、震え始めた。

でかい図体にあまり似合わないポーズだ。

「お前に頼みがあんだよ」

「怖いだす、動きたくないだす」

今のままでは夢魔は動きそうにない。

周りの大妖魔達を排除するしか道はないのか。

「頼むよ。お前が動いてくれないと、俺の大切なものが死んでしまうんだ」

「死ぬ、だすか?」

「もう、虫の息なんだ。だから、頼む。お前の力を貸してくれ」

夢魔は怯えた目で俺を見下ろしたままだ。

「わかっただす」

顔にやりたくないという気持ちが出ているが、やってくれるのなら文句は言わない。

「その怪我人ってのが、あっちにいるんだ」

俺が指差した方向には、大妖魔が何匹かいる。

今はジャスミンと琴が何とか凌いでいる。

「こ、怖いだすよー」

「乗り越えるしかないんだ」