妖魔06~晴嵐~

「吟、俺はお前にばかり力を借りてるなあ」

俺は敵達を見渡す。

吟の相手を見通す能力を使い、回復の能力を探す。

「いた」

巨大な羽を生やし、黒い体を持った夢魔の女がいる。

「お前にも助けてもらうぜ」

回復役のせいなのか、前には何十という敵が女を守っているようにたっていた。

爆発の影響で数が減っているとはいえ、まだまだ足りない。

「千鶴、琴、お前らに美咲を託す。絶対に守ってくれ」

「吟ちゃんの孫に頼まれたら仕方ないにゃあ」

琴は俺の腕から飛び降り、美咲の前に立つ。

「兄さん、私」

大きなミスによる心に受けたダメージは大きい。

しかし、ここで俺が立ち止まったら、手遅れだ。

「次は、お前が美咲の支えになる番だぜ」

時間がなく俺は千鶴の言葉を聞かずに走り出す。

「どけえええ!」

俺は夢魔の大妖魔に向かって走り出す。

その間に何十もの攻撃が待っている。

毒液が飛んできたのを回避した後に時間を遅らされ、地震で足元が覚束なり、針で腕を貫かれながらも夢魔の背後に辿り着いた。

今の夢魔は暴走の上に暗示にかかっている。

「死んでいった大妖魔達には悪いが、今思い出したぜ」

夢魔が飛んで離れようとする。

「郁乃母さんがやった事をな」

闇をまとった腕を夢魔に向ける。

「お前の意思を取り戻してやるよ」