「確証のない物ほど、信じる事は馬鹿げている」

「霧は治せるが治す心がない、そう捉えているか?」

「そうね」

「確実に治せるのは、神だけだ」

「それはどうかしら」

「葉桜丞、何者でもない彼が変えるとでも?」

「ええ」

「それこそ確証がない。神に勝るという確証もだ」

「きっと、私は馬鹿なのよね」

野川さんは鉄球を用いて構えます。

「私達がそこを通る答えは一つしかない」

「単純明快だ」

「あんたは神を信用しすぎている」

「神こそが善」

「仲間も自分も、切り捨てるという事?」

「我らにとって、世界の行く末を一人の人間に任せるわけにはいかない」

風間さんも構えました。

彼と彼女のやり取りは一向に終わりませんね。

私もやり取りの中に入りたいのですが、二人の仲を邪魔するわけにはいきません。

しかし、ひと段落ついたようですね。

「おやおや、これは久々に死地に辿り着けそうな相手が現れましたね」

「さっさと決着をつけるには、私達三人でやるしかないわ」

「私としては、風間さんとやりあうのは一人でもいいと思っていたのですがね」

戦いの末に、死地に辿り着く確立が高くなるのは一人でやる事なんですよ。

私の目的は、あくまで死地につく事ですからね。

「早く合流するためよ」

「おや、常に時間を気にする姿勢はすばらしいと思いますね」

「今回ばかりは、丞ちゃん一人でやらせるのは酷ってものよ」

「王子様、早く会いたい」

ロベリアさんは彼をお婿さんにしたいという事なのでしょうか。

しかし、彼のお嫁さんは摩耶さんにしたいという気持ちがあるんですよね。