妖魔06~晴嵐~

「悪いが、そこのお姉ちゃんにパワハラさせてもらおうか」

「人間如きに負けると思うか?」

「ふう」

携帯用の灰皿に吸い終えたタバコを放り投げましたね。

環境問題をきちんと考えているようです。

「人間如き、か。まあ、お前さんの認識はそんなもんだろうな」

「死ね」

私を死地に送る前に葉桜さんを死地に送るつもりでしょうか。

「まったく、男との組み手なんかやる気はないんだがなあ」

葉桜さんは手刀を見切っています。

「男は早けりゃいいもんじゃないんだ」

「ちい!」

「正確に、落ちるポイントを、突く!」

最小限に体を動かし、ネロさんの攻撃を回避しましたね。

その後のカウンターが人中に決まりました。

「がは!」

「そんなんじゃ女は喜ばせられないってこった」

「あんたは女を喜ばせる暇もないんじゃない!」

裸体の女性は背後に周り、葉桜さんの首を斬ろうとします。

「おっと、靴が汚れてるなあ」

来る事が分かっていたかのように座り込み、回避しました。

そして、前に出している腕を掴んで、自分の下に引き寄せます。

「そんなに暴れちゃ、美人が台無しだぞ」

「ん!」

女性に接吻をしましたね。

両手を掴まれ、唐突の出来事なので一歩遅れてしまったのでしょう。